やっぱりフィンランド語より英語を勉強した方が将来的に得だと思うよね?
しおりさんどうしたんですか?
今回はね、私がフィンランド語を勉強している理由について考えてみたんだ!
ふむふむ、聞いてあげましょう!
フィンランドに来て2年半以上たち、私はあと2年ほどで日本に帰国するかもしれない身分です。
このところ、ずっと考え続けていることがあります。
「なぜ私は英語ではなく、フィンランド語を学んでいるのだろう?」
周りからは「フィンランドに住んでいても、将来を考えたら英語を勉強した方がいいよ」と言われることも多く、自分でも日本に戻ったときの就職を考えるとスキルとしては英語の方が実用的だと頭では理解しています。
フィンランド語を日本で使う機会はほとんどないですよね。
私のようにフィンランド語を勉強しているけど、英語を磨いた方がいいのでは・・?という不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事ではあと2年くらいでフィンランドを離れるかもしれない私が、フィンランド語を学ぶ理由を共有させてもらいます!
私が英語ではなくフィンランド語を勉強する理由5つ
①フィンランドについて深く知ることができる

フィンランド語を私が勉強する理由1つ目は「フィンランドについて深く知ることができる」からです。
「英語を通してでも学ぶことができますよ!」という意見もあるかと思います。
確かにフィンランドでは英語での情報アクセスが容易で、英語ができれば生活に困らないため、「数十年フィンランドで生活しているけどフィンランド語が話せません」という移民の方はとても多いです。
ですが、フィンランドについて詳しく知りたいと思った時、フィンランド語と英語、どちらを学ぶべきでしょうか?
私は国について知るためには、その国の文化を知らなければ深く理解することは困難で、その過程で言語を学ぶことが重要だと思っています。
うーん、でもフィンランド文化について書かれた記事を読むときに翻訳しても内容変わらないよね?
確かに、私も”記事内容を知る”って意味では言語は関係ないと思うよ!
例えば、2025年時点でフィンランドはジェンダーギャップ指数が世界第2位です(内閣府男女共同参画局, 2025)。
私も生活の中でフィンランドでは日本より女性も男性と平等に扱われることが多いと感じます。
そして男女とも同じというのは言語にも表れていて、彼、彼女と言うように男女で主語を分けず、フィンランド語では男女問わずどちらもHän(ハァン)と呼びます。
このように、”フィンランドは男女平等の国だ”という情報自体はどの言語を通しても知ることができますが、なぜフィンランドは他の国より男女平等であるのかはフィンランド語を勉強するとより深く知ることができます。
他にもフィンランドの月の読み方(1月:Tammikuu〜12月:Joulukuu)はフィンランドの宗教や昔の農耕の生活スタイルから来ていて、言語を通して文化を知ることはとても面白いよ!
Joulukuuってクリスマスの月って意味ですね!サンタクロースで有名なフィンランドにピッタリですね!
②フィンランド語を習得すると無料で教育が受けられる

フィンランド語を私が勉強する理由2つ目は「フィンランド語を習得すると無料で教育が受けられる」からです。
フィンランドでは、EU/EEA諸国とスイス国籍の人たちは指導言語問わず大学の授業料が無料ですが、私たちが大学に入り英語で学ぶ場合、年間8,000~18,000ユーロの授業料を払う必要があります(ベネッセ海外進学・留学ラボ, 2022)。
ですが、指導言語がフィンランド語の場合、すべての学生が授業料無料で受けることができます。
これは本当にありがたいことだと思います!
この制度の背景には、フィンランド政府が自国の言語と文化を学ぶ外国人学生を積極的に支援したいという方針があります。
現に私もフィンランドの応用科学大学(Ammattikorkeakoulu)でフィンランド語でテクノロジー分野のレッスンを受けていた時期がありましたが、授業料は無料でした!
③フィンランド語の方が英語より勉強しやすい

フィンランド語を私が勉強する理由3つ目は「フィンランド語の方が英語より勉強しやすい」からです。
私は現地に住んでいるので、フィンランド語習得への支援もあり、環境的にも勉強しやすいのはもちろんです。
加えて、これは100%私の感覚ですが、日本人にとってはフィンランド語は英語より簡単だと思います。
日本語と発音が似ている
フィンランド語は日本語と母音の音が似ており、aとä、oとö、yとuなど発音の区別が難しいものもありますが、ほとんどのアルファベットが日本で習うローマ字読みで問題ありません。
私が英語を話す時、発音やイントネーションの問題で聞き返されることが多くて、豆腐メンタルの私はいつもストレスを感じていました。
ですが、ありがたいことにフィンランド語だとあまり聞き返されないのです!
自信を持って言える→伝わる→嬉しい→もっと話したくなる→自信を持って…この好循環のおかげでガンガン勉強できました。
この好循環素晴らしい!
単語のつづりを見ればすぐに発音がわかる
英語だとスペルから発音を推測するのが難しい場合多いですよね。
例えばbeautifulとか、もし英語の知識がゼロだったら”びえあうてぃふる”って読んでしまいませんか?(私は中学のとき、そう覚えました)
英語だとローマ字読みで覚えたら、実際に英語を使って会話する時に大事故になりますよね。
ですが、フィンランド語のつづりは発音に忠実かつ、ほとんどローマ字読みなので新しい単語でもストレスを感じることなく口に出すことができます!
例えばMinulla on koira.(私は犬を飼っています)ローマ字で読んで問題ないんです。
そう、”みぬっらおんこいら”であってます、完ぺきです!
英語みたいにあまり単語の位置を気にしなくていい
フィンランドは単語の格変化によって役割を知ることが可能なので、英語のように単語の並べる順番をそこまで気にする必要はありません。
例えば「犬が猫を追いかける」という意味の文を3つ紹介します。
・Koira jahtaa kissaa. (基本語順:主語-動詞-目的語)
・Kissaa jahtaa koira. (目的語-動詞-主語)
・Jahtaa koira kissaa. (動詞-主語-目的語)
それぞれ単語の位置が違うので強調されている部分が異なるものの、同じ意味です。
この部分、とても日本語に似ていると思いませんか?
もちろん格変化が多いのでそこを覚えるのは大変ですが、これらの理由から英語より私はフィンランド語の方が取りかかりやすかったです。
④フィンランド人に好感を抱かれる

フィンランド語を私が勉強する理由4つ目は「フィンランド人に好感を抱かれる」からです。
日本人もそうであるように、やはり自国の言語を必死に覚えようとしている外国人には好感を抱かざるを得ません!
多くのフィンランド人は英語を話せますが、フィンランド語で話しかけた方がうれしそうな顔をされます。
どこの国でもそうだと思いますが、たとえ共通の第2言語を持っていても同じ文化圏だったり、母国語で話せる方がコミュニケーションも取りやすいので同じ言語、人種でグループが固まりがちです。
ですがフィンランド語を勉強すれば好感を抱かれ、フィンランド人の友達もできやすいでしょう!
私は趣味を通してフィンランド人コミュニティに参加するようになって、そこで最初のフィンランド人の友達ができました!
⑤日本で英語を使って仕事をしている自分の姿が想像できない

フィンランド語を私が勉強する理由5つ目は「日本で英語を使って仕事をしている自分の姿が想像できない」からです。
冒頭でお話ししたように、日本に帰国して就職活動をする際、フィンランド語より英語ができた方が有利だということは理解しています。
だからこそ英語を勉強しようとした時期もありましたが、フィンランド語と同時並行だとなかなか集中できず、結局フィンランド語の勉強に戻ってしまいました。
日本でそもそも仕事の会議などで発言するのが苦手な私が英語を駆使してバリバリ働いている姿は全く想像できない。
役に立つとわかっていてもそれを使っている想像ができなければ勉強も身に入らない、であれば好きな言語を学ぶ方が良いと思ったのです。
まとめ
本記事では私が英語ではなくフィンランド語を学ぶ理由についてお話ししてきました。
- フィンランドについて深く知ることができる
- フィンランド語を習得すると無料で教育が受けられる
- フィンランド語の方が英語より勉強しやすい
- フィンランド人に好感を抱かれる
- 日本で英語を使って仕事をしている自分の姿が想像できない
いかがでしたでしょうか?
確かにフィンランド語を習得しても、日本に帰った時に就職活動で提示できるものは「フィンランド語が話せる」というマイナーな言語スキルだけかもしれません。
ですが、フィンランド語が話せるようになった過程で得た経験や知識、努力は決して無駄ではないと思います。
例えばですが、私はフィンランド語を使って、
・インターンでフィンランドの保育園の子供達におりがみを教えて、おりがみ大好きになってもらえた。
・たくさんの国の友達ができて、いろんな宗教があることや様々な文化があることを知った。
・フィンランド人の友達と一緒に初めて自分で描いた絵を売りにイベントに参加した。
ある人から見れば小さいことかもしれませんが、私にとってはたくさん学びがあったと感じることでした。
つまり、フィンランド語を学ぶことで得られるのは、単なる言語スキルだけではありません。
文化への深い理解、友人関係や友人との経験、そして自分に合った学習方法での成功体験、これらすべてがフィンランド語を通してこそ得られた貴重な財産だと思います。
だから私は、これからもフィンランド語の勉強を続けていきます。それが今の私にとって、最も自然で意味のある選択だと信じています。
この記事がみなさんのお役に立てれば嬉しいです。
以上で、私が英語ではなくフィンランド語を勉強する理由についての解説は終わりです。
質問等ありましたら、問い合わせフォームからお問い合わせください。
お疲れ様でした!